数学を好きになる オススメ一般向け数学書ベスト5

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数学って苦手な人多いですよね。僕は物理学科出身ですが、高校3年まで数学が苦手でした。今では物理より数学が好きなくらいです。

皆さんにも数学の面白さを知ってほしい思いでいっぱいです。そこで本稿では、僕のオススメの一般向けの、ほとんど数学の知識不要の数学関連書籍を紹介していきます。

これを読めば数学好きになること間違いなしです。

第5位 ポール・ホフマン『放浪の天才数学者エルディッシュ』

エルディッシュ!最も愛された数学者といっても過言ではありません。彼は数学者でありながら共同研究をこよなく愛し、人懐っこく、偏屈者です。

それでもどの数学者からも歓迎され、多くの尊敬を集めました。数学界隈ではエルディッシュ数というものがあります。エルディッシュ数=0ならば、それはエルディッシュと共著論文をだしたことがある人です。1ならばエルディッシュ数=0の人と共著論文をだしたことがある人という意味です。

確か現在ではエルディッシュ数=3くらいの人が存命だったような気がします。そんな魅力あふれる数学者エルディッシュの生き方に迫った作品です。数学の話はほぼ出てきません。

第4位 サイモン・シン 『暗号解読』

微妙に数学書かといわれると違うような気もしますが、多くの数学者が登場ます。暗号とは一体何かという暗号の歴史から物語はスタートします。数学の話は殆ど無いので、暗号の歴史本として読めると思います。

どのような苦労をして人類が現在の暗号方式にたどり着いたのか。暗号とは常に作成するものと解読するものの戦いであり、それは戦争に用いられてきました。戦争という時代の流れの中を、暗号解読者と作成者がどのような思いで生き抜いたか。

エニグマなどの歴史的な暗号やインターネット通信等で用いられているSSL暗号公開鍵暗号方式などの解説や誕生の秘密なども語られます。(httpsの最後sはssl暗号を表しています)

そして、現代の究極の暗号とは一体なにか。暗号にかける熱い物語です。暗号に興味のある方ならおすすめです。僕は1日で読んでしまいました。

第3位 マーカス デュ・ソートイ 『素数の音楽』

素数。それは中二病数学徒が愛してやまない数である。しかし歴史上誰一人として、素数の音楽を奏でたものはいない。なぜなら素数の音楽には楽譜がないからだ。太古の昔から知られている素数ですが、どのような規則性をもっているのか未だにわかっていません。

しかし、それに1つの風穴を開けたのが、リーマンです。それはリーマン予想と呼ばれています。素数の法則性を予想していますが、未だかつて証明されていません。素数の魔力に見せられた数学者がその謎に挑みます。

なぜこんなにも素数が我々の心掴むのか、その一端がこの本に現れています。

この本をよむと、素数の歌が聞こえくる...

第2位 アミール・D・アクゼル『「無限」に魅入られた天才数学者たち』

さて、皆さん、無限について考えたことはありますか。ないですよね。では天才数学者たちが無限について真剣に考えるとどんなものが生まれるでしょうか。本作は無限について死ぬほど考え抜いた数学者ゲオルグ・カントールを軸に無限の正体について迫っていきます。

では、ここで皆さんに質問です。自然数(0,1,2,3...)と整数(...-2,-1,0,1,2,...)があります。自然数も整数もどちらも無限に存在します。ではどちらのほうが大きい無限でしょうか。実は同じです。どうして?と思ったあなたはぜひ読んで見てください。

そして当然やろと思ったあなたは、自然数よりも大きい無限の集合を探して見てください。それは実数です。どうして?と思ったあなたはぜひ読んで見てください。

ここでカントールは考えました。じゃあ、自然数と実数の中間の大きさの無限は存在するのか、と。それが彼の苦悩の原因でした。その謎は20世紀最大の数学者・クルト・ゲーデルによって解決したかに見えました。ところがどっこい、とんでもない真実が数学には潜んでいたのです。

数学の真髄をしれるとてもおもしろい内容です。この話を聞くと数学科に入学してみたくなりますね。無限ってしゅごい!

第1位 サイモン・シン『フェルマーの最終定理』

僕はこれで数学が好きになりました。数学の知識は不要です。簡単な数式とかは文中で出てきますが、面倒な場合(僕のことですが)、数式は無視しても問題ないです。

ピタゴラスのが三平方の定理を発見し、実数ではあれわせない数があることに慄いた話から、アンドリュー・ワイルズがフェルマーの最終定理を解決するまでを主に数学者の格闘と青春の物語として描いています。

3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる自然数の組 (x, y, z) は存在しない

 

上記のようにフェルマーの最終定理は中学生でも理解できる定理です。しかし、一見簡単そうに見えるものを証明するのにとてつもない難しさがあるというのが数学の面白いところです。そしてノート隅にフェルマーはこんなことを書き残しました。

 

この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。

 

この言葉がその後の多くの数学者の人生を変えていきます。1つの数式の証明に人生をかけた数学者たちの情熱と人生を狂わせた数学者の苦悩とがいきいきと表現されています。

これを読めばきっと数学に対するあなたの眼差しも変わってくると思います。数学ってこんなにかっこよかったのか!