同値について、わかりやすく解説しました。
高校数学でいきなり出てくるけど、イマイチよく意味がわからなかった記憶があります。
同値とは
まずは、の意味について解説します。この記号はもちろん「同値」という意味です。はとを合わせたものです。
は、「AならばB」と読み、「Aが正しいとき、必ずBも正しいよ」という意味です。は逆に「Bが正しいとき、必ずAも正しいよ」という意味です。
なのでは「Aが正しいとき、必ずBも正しい」と「Bが正しいとき、必ずAも正しい」が両方共に成り立つという意味です。と言っても分かりづらいと思いますので、次の例を見ながら考えてみましょう。
この場合、「Aが正しい」というのは、のときですね。2は整数なので、「Bも正しい」です。つまり「Aが正しいとき、必ずBも正しい」ので、が成り立ちます。では逆に「Bが正しい」ときはの場合ですよね。
この場合は、「Bが正しいとき、必ずAも正しい」とは言えません。例えばの場合、「Bは正しい」ですが、「Aは正しく」ないですよね。「Bが正しいとき、必ずAが正しい」とは言えないんですね。よって今回はは成り立ちません。「必ず」というのがキモです。が成り立つためには、「が整数」であるすべてのに対してAが成り立たなければいけないということです。
では、次の場合はどうでしょう。
この場合は、が成り立つのがわかるでしょうか。のとき「Aは正しい」です。そのとき「Cは正しい」ので、が成り立ちます。逆に「Cが正しい」とき、となります。それ以外のではCは成り立ちません。よって「Cが正しいとき、必ずAも正しい」ので、となります。
以上からが成り立ちます。
集合的に考える
さて、「同値」という意味がわかってきたでしょうか。この章では同値を集合的に考えてみたいと思います。少しだけ難しくなります。
Aを「Aを満たすの集合」(集合A)と言い換えてみましょう。同様にBを「Bを満たすようなの集合」(集合B)と考えてましょう。
すると集合Aというのはのみです。集合Bはですね。ここで、集合の包含関係について考えます。包含関係とは、どちらの集合がどちらに含まれるかということです。例えば、集合Aが集合Bに含まれるとは、集合Aの要素がすべて集合Bに含まれている場合です。
具体的みてみましょう。例えば今回の場合、下図のように集合Aは集合Bに完全に含まれます(は集合Bの要素ですね)。
集合Aが集合Bに含まれるということは、「Aを満たすとき、必ずBも満たす」ことになるので、です。逆に、集合Aは集合Bに含まえていないということは、「Bを満たすとき、必ず集合Aを満たす」わけではありません。「同値」というのは「集合Aが集合Bに含まれる」かつ「集合Bが集合Aに含まれる」ということです。これは、集合Aの要素と集合Bの要素が全く同じということです。
例えば、Cを満たすのはのときだけですよね。つまり集合Aと集合Cの要素は同じです。このように集合的に考えてみるとわかりやすいことがあります。特に連立方程式の同値変形するときには非常に役に立ちます。