わかりやすく同値⇔について解説した

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同値\Leftrightarrowについて、わかりやすく解説しました。
高校数学でいきなり出てくるけど、イマイチよく意味がわからなかった記憶があります。

同値とは

まずは、\Leftrightarrowの意味について解説します。この記号はもちろん「同値」という意味です。\Leftrightarrow\Leftarrow\Rightarrowを合わせたものです。
A\Rightarrow Bは、「AならばB」と読み、「Aが正しいとき、必ずBも正しいよ」という意味です。A\Leftarrow Bは逆に「Bが正しいとき、必ずAも正しいよ」という意味です。
なのでA\Leftrightarrow Bは「Aが正しいとき、必ずBも正しい」と「Bが正しいとき、必ずAも正しい」が両方共に成り立つという意味です。と言っても分かりづらいと思いますので、次の例を見ながら考えてみましょう。

x=2である \tag{A}
xは整数である \tag{B}

この場合、「Aが正しい」というのは、x=2のときですね。2は整数なので、「Bも正しい」です。つまり「Aが正しいとき、必ずBも正しい」ので、A\Rightarrow Bが成り立ちます。では逆に「Bが正しい」ときはx=...-3,-2,-1,0,1,2,3,...の場合ですよね。

この場合は、「Bが正しいとき、必ずAも正しい」とは言えません。例えばx=3の場合、「Bは正しい」ですが、「Aは正しく」ないですよね。「Bが正しいとき、必ずAが正しい」とは言えないんですね。よって今回はA\Leftarrow Bは成り立ちません。「必ず」というのがキモです。A\Leftarrow Bが成り立つためには、「xが整数」であるすべてのxに対してAが成り立たなければいけないということです。

では、次の場合はどうでしょう。
xは整数である、かつ1<x<3である \tag{C}
この場合は、A\Leftrightarrow Cが成り立つのがわかるでしょうか。x=2のとき「Aは正しい」です。そのとき「Cは正しい」ので、A \Rightarrow Bが成り立ちます。逆に「Cが正しい」とき、x=2となります。それ以外のxではCは成り立ちません。よって「Cが正しいとき、必ずAも正しい」ので、A \Leftarrow Cとなります。
以上からA\Leftrightarrow Cが成り立ちます。

集合的に考える

さて、「同値」という意味がわかってきたでしょうか。この章では同値を集合的に考えてみたいと思います。少しだけ難しくなります。
Aを「Aを満たすxの集合」(集合A)と言い換えてみましょう。同様にBを「Bを満たすようなxの集合」(集合B)と考えてましょう。

すると集合Aというのはx=2のみです。集合Bはx=...-1,0,1,2...ですね。ここで、集合の包含関係について考えます。包含関係とは、どちらの集合がどちらに含まれるかということです。例えば、集合Aが集合Bに含まれるとは、集合Aの要素がすべて集合Bに含まれている場合です。
具体的みてみましょう。例えば今回の場合、下図のように集合Aは集合Bに完全に含まれます(x=2は集合Bの要素ですね)。
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集合Aが集合Bに含まれるということは、「Aを満たすとき、必ずBも満たす」ことになるので、A \Rightarrow Bです。逆に、集合Aは集合Bに含まえていないということは、「Bを満たすとき、必ず集合Aを満たす」わけではありません。「同値」というのは「集合Aが集合Bに含まれる」かつ「集合Bが集合Aに含まれる」ということです。これは、集合Aの要素と集合Bの要素が全く同じということです。

例えば、Cを満たすのはx=2のときだけですよね。つまり集合Aと集合Cの要素は同じです。このように集合的に考えてみるとわかりやすいことがあります。特に連立方程式の同値変形するときには非常に役に立ちます。