効率的な勉強法〜復習のタイミング〜

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勉強において最も重要なことは復習です。今回は最も効率よく復習するにはどうすればよいかについて解説します。

復習で1番大事なことはいつ復習するか、ということです。今回は記憶の仕組みについて考えながら復習の方法について解説したいと思います。

短期記憶と長期記憶

記憶には時間が経つと忘れてしまう短期記憶と時間が経っても忘れない長期記憶があります。

例えば、親戚の家に電話をかけたとしても次の日には電話番号を忘れていますよね。でも自宅の電話番号はなかなか忘れませんよね。これは自宅の番号が長期記憶に配置されているのに対し、親戚の電話番号は短期記憶に配置されているからです。

物事は最初、短期記憶として記憶されます。そして短期記憶の中で重要なものを長期記憶へと移します。つまり勉強で大事なのはいかに学習内容を短期記憶から長期記憶に移行させるということです。

長期記憶へ移行させるには?

ここで短期記憶から長期記憶へと記憶を移行する判断をしているのが脳の海馬と呼ばれている箇所です。

では海馬はどのような判断基準で短期記憶から長期記憶へと記憶を移行させているのでしょうか。その重要な要素の1つが何回その内容を学習したかということです。

例えば、親戚の家に電話をかけるのは年に1回くらいですよね。すなわち年に1回しか電話番号を学習していません。でも自宅の電話番号は年に何回も使用(=学習)すると思います。

何回もその内容を使用(学習)すると海馬はその記憶は重要だと判断して長期記憶へと移動させるのです。すなわち、勉強で重要なのは何度もその内容を復習するということです。

忘却曲線について

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忘却曲線をご存でしょうか。心理学者のヘルマン・エビングハウスという人が作成した記憶の忘却に関する曲線です。図の横軸が時間を縦軸は節約率を表しています。

よく勘違いされていますが、忘却曲線の縦軸は記憶量を示しているわけではありません。節約率とは、同じことを記憶するのにどの程度時間を節約できたかを表す数字です。

つまり、節約率0%というのは、最初にその内容を記憶したときと同じ時間をかけて学習したということになります。節約率50%であれば、最初の学習時間の半分で記憶できたことを示します。節約率100%であれば、すでに記憶済であるという意味になります。

そして忘却曲線によれば、節約率は20分後には約60%となり、1日後には30%になります。例えば、ある英文を記憶するのに100分かかったとしましょう。そうすると次の日にもう1度記憶し直そうとすると70分かかってしまうということです。

これを大雑把に理解しようとすると、1日経つと7割くらいはすでに忘れており、再び覚えなおそうとすると最初に覚えたとき7割くらいの労力が必要だということです。

そして、緑色の線に注目してほしいのですが、緑色の曲線は復習した場合の忘却曲線を表しています。緑色の曲線は赤色に比べて緩やかに忘れていくことがわかります。これが、学習内容が徐々に短期記憶から長期記憶に移行しているという意味です。

いつ復習するか

以上の説明から勉強には復習が大事だということがわかったと思います。ではどのタイミングで復習すればよいのでしょうか。

1回目

1日以上経つと、節約率が30%以下になります。つまり、また学習するのに最初の学習の70%以上の労力が必要ということです。それではあまり効率的ではありませんよね。効率的な復習は、内容を忘れる直前で復習することです。つまり最初の復習は24時間以内に行うのが良いでしょう。

2回目

そして、2回目の復習は1週間後に行うのが良いでしょう。1回復習すると忘却曲線は緩やかになります。しかし1周間程度経つと、また忘れはじめてしまいます。なので、1週間をめどに復習することをおすすめします。

3回目

そして、3回目の復習は1ヶ月後をおすすめします。1ヶ月経っても覚えているということは長期記憶に配置されたということです。その確認のために1ヶ月後に復習するのが良いです。

もし各復習の段階で覚えてなかった場合にはまた次の日に復習して同じ道のりを繰り返すのが大事です。人間は常に忘れる生き物だということを意識しながら勉強していきましょう。